大阪府建団連(北浦年一会長)は平成19年6月27日夕、建団連会館で、「関西建設技能者会」の発会式を開催しました。

 この会は、▽技能者の社会的地位の向上▽経済的自立と生活向上▽技能・資質の向上▽優秀な技能の伝承▽社会貢献―を目的に設立され、すでに約500人が登録しています。4月からスタートした「職人学校」との両輪で運営し、基幹技能者・一級技能士など1万人の参加を目標にしています。

 発会式の冒頭、北浦会長は「優秀な職人の数はどんどん減っており、危機感を持っている。そうなった理由は、職人の待遇の悪化である。重層下請け構造の悪い面が出ており、一人親方の福利厚生面にしわ寄せがきている。なんとか良い職人が次の世代にも残り、技能・技術の文化を残したい。現場の第一線で働いている人が夢を持てるよう願っている。今日までに500人が登録していただいたが、まだ十分浸透していない。ぜひとも1万人の目標にまで拡大したい。職人の親子4人が暮らせるような賃金を得られる業界になってほしい。それには本日出席された専門工事業経営者の皆様にも十分ご理解いただき、職人の育成にご協力いただきたい」とあいさつしました。

 古阪秀三京都大学工学研究科准教授は「職人の地位向上については今が絶好のチャンスである。行政は高い関心を持っており、専門業やゼネコンのネットワークを利用すれば何か変わる可能性がある。一方で、欠陥工事の発覚が続いており、それを直すには職人がきちんとした仕事をしなければならない。このチャンスを逃すと、今後10年、20年はこういう動きが消えてしまうことになる。皆さんのご協力でぜひとも良い仕組みを実現したい」と述べました。

 来賓の荒牧英雄厚労省職業安定局建設・港湾対策室長、岡哲生国交省総合政策局建設振興課労働資材対策室長から祝辞があり、古阪氏が技能者会の設立経過と趣旨を説明しました。
 このあと、技能者会を代表して小堀氏が「日頃から技能の研さんにより評価を得、後継者の育成、社会貢献などの活動を通じて存在を知らしめたい」と決意表明を行いました


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