建設業振興基金と大阪府建団連、建設産業専門団体近畿地区連合会は10月2日、三田建設技能研修センターの建設技能職種・女性訓練生を集め、清水建設北浜計画工事作業所などの現場見学会を実施しました。

 このあと引き続き大阪市中央公会堂地下会議室で、大手建設会社の女性技術者、および専門工事業の女性技能者らを交え、意見交換会を開催しました。
 開会にあたり、振興基金近畿地区拠点の三十木諭氏、三田地区拠点の西内あゆみ氏があいさつ。西内氏は「建設業は技術・技能を修得することにより、男女を問わず誰もが活躍できる。造園やリフォームなど従来よりも新たな感性や洗練されたデザインセンスを要する現場や生活者目線が生きる分野、会話力などコミュニケーション能力を生かすことができる職種など、女性が力を発揮している場面も多い。女性が活躍することで、長時間労働などこれまで解決できなかった問題に工夫がされ、効率的で快適な職場環境の整備につながる。女性が活躍できる建設業を目指すことにより、男女を問わず誰でもが働きやすい業界になり、業界に新たな活力や刺激をもたらすことが期待できる」と述べました。
 参加者の自己紹介のあと意見交換に移り▽入職にあたって不安に思っていること▽働きつづけられる職場環境▽更なる活躍とスキルアップ▽女性の活躍に関する情報発信―の4つのテーマに沿って訓練生から質問し、これに対し女性技術者・技能者が答える形式で進行しました。

 「入職にあたって不安に思っていること」については▽建物が好きなだけで仕事はできるか▽女性が建設業に就職するメリットとデメリットは何か▽女性だからこそできる仕事はあるのか―などの質問があり、技術者・技能者側からは「若い時は接待などで先方から声掛けをしてもらえないことがあった」「女性・男性の差より、個人の差の方が大きい」「内装工事を担当させられたが、背が低いと棚をつけられた場合など逆に困る。外の躯体は男性、内装は女性という考え方はおかしい」などの意見が出ました。
 「働きつづけられる職場環境」に関して▽復職はしやすいか▽子供の急病などで休みを取れるか―という質問に対しては「みんなで協力し合おうという環境があり、休むことに対して支障はない」「大手と違って中小では個人的な事情で休みを取りにくい」「子供が小さい時は、社長にかけ合って1年間朝9時出勤にしてもらったことがある」―などの体験談が述べられました。

 最後に北浦年一大阪府建団連会長は「昔は身につけるのに10年かかった技術も今ではもっと早く修得できる。仕事が分かってくると面白さも分かる。皆さんのように目的を持って業界に入ろうとする人には恵まれた環境が用意されている時代であり、皆さんの力で業界をより良く変えてほしい」と激励しました。


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