社団法人建設産業専門団体連合会(山崎善弘会長、略称・建専連)主催による「建設専門業の経営革新支援研修」が3月4日、KKRホテルオーサカ大阪で開かれました。

 研修会に先立って、山崎会長は「建設産業はピーク時から30兆円も市場が縮小した。さらに来年度からは年率3%、5年間で15%の公共投資が削減される。環境が厳しくなる中で、いかに健全な体力を保持するか、新しい方向づくりをしていく必要がある。今までの延長線上に将来はない。従来の経営資源を活用して、新しい分野を切り開かねばならない」とあいさつ。

 北浦年一建専連近畿地区連合会会長(大阪府建団連会長)は「競争は進歩を伴うものだが、今は競争ではなく『天秤』があるだけで、なんら進歩もない。われわれには伝統的な良い技能を若い人に伝える義務がある。不良・不適格業者の排除は行政と業界が一体で進めるべきで、われわれが一つに結束して提言していくことが大切だ」と述べました。
 続いて講演に移り、まず渡辺秀樹・国土交通省近畿地方整備局建政部長が「建設産業の現状と課題」について説明しました。その中で渡辺氏は、近畿地区の建設工事高はピーク時より43%も減少した反面、逆に業者数は増加しているため、他地区に比べてダンピングが多発していることを指摘。厚生労働省、経済産業省とも連携して、建設産業再生協議会を各自治体に設置して対策に取り組んでいることを報告しました。また、都市再生、密集市街地の解消、都市景観の向上と屋上緑化、福祉分野との連携などの分野に力を入れており、今後は街づくりや地域に密着した活動が重要になると述べました。

 次に、平智之アドミックス社長が「先導的・革新的モデル事業事例」を紹介。建専連会員の最新技術・サービスの事例、全国の先導的・革新的モデル事業の例を挙げました。建設市場の構造変化は、今後、▽新しい技術・サービスによる経営革新▽元下関係の経営革新▽IT化による経営革新――の3つの面からの経営革新が期待できることを指摘。ダンピング問題については、米国のような入札ボンド制度の導入が望まれることを説明しました。


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