北浦年一会長
 平成18年春の叙勲で、北浦年一会長は旭日双光章を受章しました。
 北浦会長は昭和11年生まれ(70歳)。昭和30年北梅組に入社、同41年代表取締役社長、平成6年代表取締役会長、同16年から相談役。団体関係では、昭和53年大阪府建団連副会長、平成12年から会長、同15年から建設産業専門団体近畿地区連合会会長、昭和63年から平成16年まで近畿躯体工業協同組合理事長(現在は名誉理事等)などを歴任。昭和62年に大阪府知事表彰、平成5年に建設大臣表彰、同6年に黄綬褒章を受けています。
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 このたびの受章にあたって、北浦会長は次の通りコメントしています。
 「この仕事を始めて52年ほどになりますが、振り返ればいろいろなことがありました。仕事で一番印象に残っているのは、東大寺の昭和の大改修でした。
 建設業は様々な面で大きく変わってきました。技術は非常に進歩したと思います。しかし、いまバブルの後遺症から脱しきれず、悪いものが一斉に吹き出てきています。半面、職人の待遇改善を急ぐ必要があり、難問が山積しています。しかし、不祥事が多発することで、一般の関心が集まっており、このような時期こそ職人の待遇を改善するチャンスです。
 50年の間、職人の待遇は改善されていないどころか、逆に悪化しています。建設業全体がものづくりの原点に立ち返らなければなりません。いま優秀な職人が減っており、技能の伝承が危機に陥っています。次の世代に技能を伝承するための仕事を長くやってきましたが、ここ1、2年が一番大事な時期かと思い、危機感を持っています。優秀な職人を中心にしたシステムに少しでも変えていきたいと思っています。
 いつの時代でも難しい問題はあります。時代時代で問題は異なりますが、それを乗り切って次の世代に仕事を引き継いでもらわなければなりません。
 建設業は将来もなくなることはありません。
 今考えたら、この仕事一筋にやってこられたのは幸せだと思っています。ただ、もう少し今の専門工事業界を良くしたいという気持ちがあり、これからも努力していくつもりです」


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